「…そんな……私が遅刻したことずっと気にしてたの?」
「だせーよな、俺」
藤堂くんは自嘲した。
「……そうじゃなくて…意外と軽い人間じゃ無いんだなぁって思った」
「え゛っ…それ逆に俺の従来の印象なんだったんだよ」
藤堂くんは爽やかに笑いながら立ち上がった。
今までの不安と緊張がとけたのか、緩んだ表情で藤堂くんはこう言った。
「じゃあさ、あれ踊ってみてよ、なんだっけ……あ、ヲタ芸だヲタ芸!!あれテレビで観たときすげぇっておもったんだよな~」
?!
「やっぱりわかってない!!!サイッテー!!!」
ヲタクはみんなそういうのだって思わないでよ!!!
「はぁ?!?」
突然私がキレたことに混乱している藤堂くんを残して私は校舎をあとにした。
ヲタクの気持ちわかってるように良かれと思って言ったんだろうけど、逆効果だから!!
ヲタクってヲタクじゃない人にヘタに的外れなこと語られるとすっごいイライラするの!!!
未だかつてない怒りを覚えつつぐんぐんと歩いた。


