卓上彼氏



「ねぇヨク、私藤堂くんと二人っきりでクリスマス過ごすんだよ?もっと言うとデートだよ?いいの?」






私は自分の部屋で、パソコンの画面上にいるヨクに話しかけていた。






「わかってるよ、それは」





当たり前のようにヨクは頷いてみせた。





「いいの?!!」





私はヨクに『行くな』と言って欲しいのかなんなのか、とにかく必死に迫っていた。






「行ってみなよ、新しい発見あるかもよ?」




「あったとしても発見したくない~~~!!!」





私はまるで歯医者さんに行くのを嫌がる子供のように駄々をこねた。






『新しい発見』って何?!何なの?!




ヨクは一体何がしたいわけ?!




自分の彼女を他の男とデートさせたい彼氏なんて、おかしすぎる!!!





そのあとも私は必死に反論し続けたけれど、ヨクは『大丈夫、いいから』の一点張りで話にならなかった。





いくら言っても解決しないこの話題に私が疲れてきた頃、ヨクは違う話題を振ってきた。