よくわけのわからないまま、私は夜道を駆け抜けるタクシーに身を任せた。 「ご予約のときの予定地でよろしいですね?」 運転手の白髪のおじいさんがミラーごしに私を見る。 「はいって言って!」 ヨクが小声で指示をした。 「は、はい!」 私を乗せたタクシーは、そのまま人気の無い脇道へと入っていった。