こんな素晴らしい賞がくじ引きで当たったのは人生で初めてだから、私はあまりの衝撃に唖然としていた。
あえてここで『衝撃』と言ったのは意味があるのだ。
『あまりの感動』だとなんだか軽くてあまり伝わらない、それくらいに驚いた。
私は抽選会場から少し離れたところにあるベンチに腰をおろす。
「開けてみてよ」
「う、うん」
ヨクの言うとおりに、私は綺麗にラッピングされた四角い箱に手をのばした。
「確か『aNd yOu』って言ってたよね!!私大好きなの!嬉しいっ」
ジュエリーショップ『aNd yOu』はアクセサリーの洗練されたデザインが若い女性に人気の店だ。
普段ならとても高価で女子高生の私なんかは手が出せない。
私はこれまでに無い程わくわくしながら正方形の箱を開いた。
カパッ。
「わぁっ………!!」
私の目に飛び込んできたのは、主張しすぎないデザインが可愛らしいシルバーリングだった。
「可愛いっっ!!」
「これ、俺からの誕生日プレゼント」
そう言ってヨクは見惚れてしまうほどの笑顔を見せた。
「えっ…?」
私は思わぬヨクの発言にびっくりした。


