卓上彼氏



「お誕生日おめでとうございます、ごゆっくりお過ごし下さい」




店員さんはペコリとお辞儀をすると、足早に部屋を出ていった。






「あっ…」





私はケーキのデコレーションの一部であるプレートが目に入った。






『みかみお誕生日おめでとう』





美味しそうなクッキー生地の上にチョコレートで文字が書かれている。







「ヨク………!!」






私の知らない間に、こんなことまで……!






「美味しそうでしょ?随分怪しまれたけど一人用のサイズでちゃんと予約しといたよ」







気がつくとヨクも画面の中に同じものを用意して待っていた。






「ありがとう……!!嬉し過ぎてなんて言ったらいいかわかんないや」






私は両目にうれし涙を浮かべた。




目頭が熱くなるのを感じる。






「あっ、ちょっとみかみ泣くなって!!」






「あんまり嬉しいから、つい……!」






私は急いで涙を拭うと、その美味しそうなケーキをほおばったのだった。