卓上彼氏




昼ご飯はヨクが予約してくれていたレストランで食べた。






大型ショッピングモールの中にあるオシャレな和食屋だ。





周りの目を考慮してくれたのか、ヨクは個室を予約してくれていた。






『こんなお店高いんじゃないの?』

そう思った私の予想はよい意味で打ち砕かれた。







普通に食べたら高いこの店は、『誕生日割引』という取り組みをやっていたのだ。







そこまで下調べしてあったのだろう、ヨクにあらかじめ持っていくように言われていた学生証が誕生日を含んだ身分証明書として役立った。







「こんなにおいしい料理が半額で食べられるなんて思ってなかったぁ~♪」






次々と運ばれてくる料理を堪能しながら私がつぶやくと、






「誕生日祝いなのにみかみに高額払わせるわけにはいかないからね」






とヨクは誇らしげに言った。