私はその水槽にピタリと手のひらをあてる。 その手がエサだと思ったのだろうか、一匹の黒い魚がやってきた。 コツン、コツンと水槽をつつく。 「—————この子、ヨクみたい」 私は静かに笑った。 「なんでだよ、俺そんなに魚っぽい?」 ヨクがほおを膨らませて怒りっぽく言うから、ますます笑ってしまった。