ふとテレビを見上げると、大画面の中で彼も静かに泣いていた。 泣いていたことがわからないくらい、音を立てずに。 表情はそれこそ悲しそうだったけれど、号泣してぐちゃぐちゃな私とは対称的に、左目から一筋の涙をつっと流していた。 「…けほっ………どうしてヨクも泣いているの?」 彼の涙の理由がわからなかった私は、まだ泣きながら声を震わせて訊いた。