私が自分の中の葛藤に悶々としていた丁度そのとき、ゆりがこんなことを言ったから、私は行動してしまった。
「じゃあ、愛してるって言って☆」
「…愛し……」
「ダメッッッッッッ!!!!」
気がついたら、カフェのテーブルに乗りだして向かい側に座っているゆりの手からスマホを取り上げていたのだ。
ゆりは驚いて目を丸くしていたし、近くのお客さんも唖然としていた。
「え……と…………ゆ、ゆり長く使い過ぎっ、ちょっとって言ったじゃん!充電無くなっちゃうよ」
「…あ…なんだそのことかぁ!ごめんなさい、つい楽しくって使い過ぎちゃったわ」
ゆりも私の行動への疑惑が溶けたようで、安心したように笑った。
「ははっ、あはははは」
私もいろんな意味で安心して笑ってしまったのだった。


