私が降りたあと、藤堂くんもハンドルを握ったまま自転車を降りた。 「ありがとう、ここまででいーから」 「別に改札まで見送ったりしねーよ」 「あっそうですかぁ!」 つんけんした藤堂くんの態度に私もつんけん仕返して、駅の改札へ向おうと背を向けた。 「なぁ」 私が三歩ほど踏み出したとき、後ろから声がした。