その日の帰りは大変だった。
「えーっ!もう帰っちゃうの~?!もう帰っちゃうの~?!泊まってきなよ~~~!!」
昼食をとったあとゆりとアニメDVD鑑賞会をして夕方六時頃まで充分熱く語ったというのに、ゆりはまだ物足りないみたいだった。
帰り際に玄関でゆりが駄々をこねだして本当に大変だった。
最終的にゆりをなだめる切り札となったのは『次に会うお約束』だった。
今度の金曜の放課後に二人で遊ぼうという約束をしたら、すんなり泣き止んでくれた。
ゆりはこれ以上私と一緒にいると家までついてきそうだということで、駅まではまた藤堂くんが送ってくれることになった。


