「そういえば一馬、さっきのお電話誰からだったの?」
ゆりは再びカルボナーラを食べ始めた。
「イタ電(イタズラ電話)か間違い電話か………出たらすぐ切られた」
藤堂くんはパスタを食べる手を止めて言った。
――――そりゃ、犯人はヨクだからね……。
私は心の中でそうつぶやいた。
「や~ね、悪質なのだったら。ちゃんと番号記録しておいた?」
「いや…非通知だったから公衆電話からとかかもしんね」
そんな二人の会話を聞きながら私は後悔していた。
―――藤堂くんとは二人っきりにならないってヨクと約束したのに~…。
後で絶対拗ねられる。
でもなんだかんだそんな悩みが嬉しくて、幸せなため息をついたのだった。


