「一馬、これって――――…」
それは、アイドルの水着姿のポラロイドだった。
「あ~っ!!それ違うから!!誤解だって!」
藤堂くんは慌ててそれをひっつかんだ。
「なにぃ~?一馬いかがわしいのォ~??」
ゆりがにんまりとして藤堂くんの手元を覗く。
「違う勘違いだよ!これは、俺の友達が中学の卒業記念にノリでなんか渡してきて、絶対飾っとけっつーから…!」
私に訴えているのか、ゆりに訴えているのか、とりあえず藤堂くんは勘違いされまいと必死だった。
「本当かしらぁ~?怪しい~~」
「るせっ!」
「大丈夫だよ、年頃の男子はありえるし、全然普通だよ」
フォローして言ったはずだったのに、
「おい花園までそーゆーこと言うわけ?!だからちげーよ!!」
とむしろ藤堂くんをさらに困らせてしまったようだった。
「あはははははっ!」
学校にいるときよりもっと間近で藤堂くんを知ることができて、なんだかとても楽しかった。


