卓上彼氏



「かーずまぁーっ!部屋入るねぇーっ!」






『せっかくだから一馬の部屋に案内してあげるわ』というゆりの提案で、私たちは藤堂くんの部屋に移動することになった。








「おいちょっと待てよ勝手に入んなって!!」





ゆりの呼び掛けを聞いて一階から猛スピードで藤堂くんが駆け上がってきた。







「あらぁ~、そんなに見られちゃ嫌な部屋なのぉ?」






ゆりは天使のような顔で小悪魔のようなことを言った。






「いや……そーじゃなくて。フツー自分の部屋勝手に入られんの嫌だろ。俺も行く」







藤堂くんは自ら自室のドアノブに手をかけた。