「だから、こういう風に『わたし』を隠さずに家に呼べたっていうのはすごいことなの!!それだけ一馬はみぃちゃんに心を許してるってことなのよ」
「……そこまで言われると、確かにそんな気がしてくるけどそんなこと言ったらうぬぼれだし、それに一馬が私を家に連れてこられたのは私がヲタクだからで………」
「ヲタクなんてそこらにいるじゃない!!それをあえてみぃちゃんを選んだから運命なのよ。みぃちゃんには一馬はとっても嫌味ったらしいツンツンした男子に見えるかもしれないけど、本当はとっても優しい人なの……ダメ?」
訴えるようなゆりの目に、私は頭のなかを整理してから応えた。
「―――一馬が優しいのは知ってる」
「じゃあ…!」
「でも、違うと思う。私にとって一馬は二次元を肯定してくれた唯一の一般人で、だからこそこんなに仲良くなったんだけど、それは恋愛感情抜きでだと思うんだよね。それに私やっぱり二次元にしかときめかないし………」
ゆりは少し残念そうな顔をした後、吹っ切れたのか清々しい顔をしてこう言った。
「わかった!私が無理強いしても仕方ないもんね、あきらめる!でも、もし三次元にときめくとしたら最初に一馬にときめいてちょうだいね☆」
結局は藤堂くんの売り込みかい、と笑いながらも、
「リョーカイ♪」
と私は笑顔で敬礼したのだった。


