「それからなの、一馬が彼女や友達を家に連れてこなくなったのは。またキモいとか言われて私を傷つけたくなかったから。中学は一馬と同じだったからね、噂とか回ってくるのよ。彼女に理由無くお家デートできない、って言うわけだから、拗ねて別れをきりだした彼女だっていたし、友達も家に入れないから友達付き合い悪いって囁かれたこともあったの。でも、一馬あぁ見えて優しいから絶対にそういうこと私には言わなかったのよね」
「…………ッ」
藤堂くんに、そんな過去があったなんて。
全然知らなかった。
あんなに明るい性格だから人生楽して生きてきたんじゃないかって思ってた。
私、無知だ。
自分がいかに極端な目でしか周りを見られていなかったか気付かされた。


