卓上彼氏






ピッ。






パソコンの前に備え付けてあるイラストを描く機械を起動した。






ここでは詳しいことを説明してもほとんどの人がわからないと思うから難しいことは言わないが、パソコンにつないでパネルに絵を描くデジタルイラストの機械だ。


まぁそういう物があるのだ。







昔からマンガやアニメは見るのも描くのも好きだったから、去年の誕生日に親に買ってもらった。






上手いか下手かは別として、今は暇さえあればこれで絵を描いて有意義な時間を過ごしている。








さっき先輩の誘いを断った原因である『仕事』というのはこれのことである。








プロ漫画家になるためのオーディションがあって、その期限目指して今日からマンガを描き始める予定だった。









でも、藤堂くんのせいで今とてもそんな気分になれない。