卓上彼氏

—————ゆりと話すの楽しいな。






私は心からそう思っていた。




周りに誰も二次元をわかってくれる人がいなかった悲しみが、一気にゆりのおかげで晴らされた。






アニメトークをしたくてもできる人がいなかった私にとっては、ゆりは本当に救世主のような存在だった。





それに、ヲタクはヲタクでもその中でさらに部類があって、ゆりと私は系統も同じ、好きなアニメの趣味も似通っていた。






「……ゆり」




私に集めているカードを見せてくれているゆりに話しかけた。





「ん?」




通常のゆりに戻ったようだ、またあの天使のような笑顔に戻っていた。





「これからも……藤堂く…一馬抜きでもいいから、たまに私と遊んでくれるかな?」





「………!!!もちろんだよ!!私こんなに語れるお友達できたの初めてだもの、こちらこそ!」






ゆりは手を差し出した。




桜色の薄い唇の端をキュッと上げて笑う。





か、可愛い…!





「ありがとう!!」





そう言って私はその手を握った。