「じゃあ、一馬はほっといて私たちでガールズトークしに行きましょ☆」
私は二階にあるゆりの部屋に来るようにと腕を引っ張られた。
「なんだよ俺はのけ者かよ」
階段の下で藤堂くんはほっぺたを膨らませて仁王立ちしていた。
「だってみぃちゃんがうちにきた目的は私に会うためでしょう?」
ゆりはクスリと笑うとワンピースをくるりと翻した。
二階にあるゆりの部屋へ向かう途中、華奢なゆりの後ろ姿を見ながら私はふと思った。
—————はたしてこんな天使みたいな子が本当にヲタクなんだろうか。
ゆりが『目的』と言うまで本当にヲタクだっていうことを忘れてしまっていたくらいだ。
「ここが私のお部屋でーす!見て驚かないでね」
ゆりは金のドアノブに手をかけた。
ギィッ。
「大丈夫だいじょう…………えぇっ?!?!」
目の前に広がるあまりに衝撃的なその光景にしりもちをつきそうになった。


