卓上彼氏



「はっ、はじめまして!!藤堂くんのクラスメイトの花園みかみです!!今日はお世話になります!!!」





同い年なのに、その美しさと大人っぽさに思わず敬語を使ってしまった。





「…なんだか花園さん、って呼ぶのもよそよそしいから、みぃちゃん、とかでいいかな。うん、その方が可愛い!」




「あっ、はい!」




もう自分が何を言っているのかわけがわからなくなった。





「だからみぃちゃんも敬語はよして。私のこともゆり、でいいから。それから兄のこと、藤堂くんって言われちゃ私も藤堂だから落ち着かないの、せめてこのうちの中だけでもいいから、一馬、にしてくれるかな?」






「か、一馬?!」




そんな呼び捨てなんて……!と言おうとしたけれど、そのきゅるんとした瞳に負けてしまった。






「わ、わかった」





その瞬間、ゆりは藤堂くんにウインクした。







「なっ、なんだよ!!」






藤堂くんは取り乱した。





「藤堂く……か…一馬ぁ」






「何?」





照れたのかそっぽを向いたまま彼は答えた。






「ゆりってどうしてこんなにも美人で可愛らしいの?!?!一馬に全然似てない!!」







「……それは俺にとって良い意味での『似てない』って捉えていいんだよな?」








私たち三人は顔を見合わせて笑った。