変わるといっても、もちろんマンガやアニメから離れることはできないからそういう二次元のものもひっそり楽しみつつ、表ではヲタクを一切出さないようにした。
ファッション雑誌を買い集めてオシャレの勉強をしたり、今時のしゃべり方を周りから吸収したり。
それら努力は嫌々やったのではなかったから、驚く程の早さで若者文化は私に定着した。
友達の系統もガラリと変わって、モデルみたいに可愛くてスタイルの良い子たちが周りにいるようになった。
男子から告白されることもあったし、つきあったりしたこともあった。
ただ、どうしても三次元の男子に恋はできなかった。
アニメ世界の完璧なイケメンたちとは違って現実世界の男子はどこかしら欠点がある。
せっかく『あの人いいなぁ』と思ってもそのときめきを裏切るような残念な行為をされるとすぐに冷めてしまう。
だから今までお付き合いしたのも全部、好きじゃないけどつきあった、という中身のない物だった。
いつかはそんな私でも夢中にさせてくれる男の子が現れると私は信じている。


