「並ばなくて良い訳ないじゃん!行くよ朋!」
と言ってすぐに花はあたしに何も言わず走り出した。
あたしは花について行き、入場門へ向かった。
「朋!?」
ん?
なに?
花はどうやら怒っている様子。
花が怒っている理由はあたしには見当たらなかった。
「平瀬くんでいいや〜って思ってない!?だめだよ!」
“平瀬くんでいい”?
「どういうこと?」
そして何がだめなの?
「だからぁ、平瀬くんを宮本先生の代わりにしようと思ってない!?ってこと!」
はぁ。
拍子抜けした。
「そんなわけないじゃん・・・」
先生との距離が遠くても、絶対諦めないつもりだし・・・。
先生の好きな人になりたい。
それに…。
急に平瀬くんを好きになったとしても、結局両想いには遠い。
そしたら方向転換をする意味も訳もない。

