あたしは、間も開けず続けた。
「実際、無理だったんだよ。」
一週間前のあの日…。
先生は何も言わず、悲しい顔をした。
あたしの「好き」を、言葉でなく心で受け止めた。
そして塩キャラメルで返事した。
先生にもらった塩キャラメル。
まだ食べてない。
食べられない。
「朋ぉー!」
かなり大きい声が近くから聞こえた。
「んっ?」
「あっ、オイラ!」
声が聞こえる方を向く。
すると、極上スマイルで走ってくる美依瑠の姿。
その笑顔が逆にこわいけど。
「今から走るから見てて〜!あれ?二人ともどしたの?ケンカ?」
それだけか。
「はいはい。なにもないよ」
あたしが適当な返事をすると、すぐさまふくれっ面になった。
「もー、見てなかったらお仕置きだからねっ!!」
「痛った!」
美依瑠のデコピン、強烈。
「分かったか!?」
「分かりました!」
「じゃあね〜♪」
また、極上スマイルで走って去っていった。
「何だったんだろ。」
「ね。」
割と大人しく横にいた花も、状況をよめていない。

