周りはワイワイキャーキャーうるさいはずなのに、あたしたちの空間だけ時間が止まったように静かだった。
「けど・・・、花は朋に先生との恋…叶えてほしいの!」
花…。
なんでそんな嬉しいこと言ってくれるの?
なんであたしは、こんな良い友達が横でついててくれたのに、期待に応えようとしなかったのかな…。
「朋は、人のこと考え過ぎだよ。かなちゃんは・・・過去だよ。かなちゃんにとって先生はまだ過去じゃないかもしれない、今もまだ好きかもしれない。だけど先生にしたら過去なんだよ!」
「あたしも自分の恋は叶えたいと思うし、叶うために頑張ってたつもりだった。違う?」
「違くない。朋は頑張った、今も頑張ってる!だけど時々逃げてる。『あーそうなんだ、先生はあたしのことなんて好きじゃないんだ』って、被害妄想してる。」
「それって間違ってる!?不安になるの。先生はやっぱりあたしみたいな中学生好きになるはずない、って。きっと家に帰ったら大切な人が居るんだ、先生を待ってる人が居るんだって」

