「うん、熱もでてるよ」
「風邪…?あんまり風邪なんて引かないからしっくりこないなぁ!」
「あははっ。おもしろい!あっ、あとね。今日全体練習が終わったら授業もないから、彼方が家まで送るって。」
えっ、えええ!?
「なんでなんでなんでなんで!?」
何でそうなんのよ!
「ごめんっ、嫌だった?」
嫌じゃないよ…。
「好きなんでしょ、彼方の事!」
うそ…バレてた?
かなちゃんは、ムフッとした顔で微笑んでる。
なんで?
かなちゃんも先生の事好きなんじゃ…。
「………好きじゃ…。」
「ん?」
「好きじゃ、ないよ!」
あたしは、無理矢理作った満面の笑みで答えた。
「えぇ?うそだぁ!あたし分かるよー?昔からそう言うカンはよく働くんだもん!」
―――好きって認めたら、かなちゃんの恋が終わってしまう気がした。

