「ねっ、教室戻ろ」
「えー。」
保健室には入らず、廊下で引っ張り合い。
「せっかく「あれっ、……朋ちゃん?」
陽向の声とかぶって聞こえたのは、今一番会いたくない人の声だった。
「…叶恵先生、こんにちは。」
「みんな来てくれたんだね!すごく嬉しいよ、ありがとう。」
まだ暑いこの時期なのに、先生はキラキラと涼しげな笑顔をあたしたち全員に向けた。
「めっちゃ可愛いねー」
花が大きい声で言った。
陽向にいたっては、なにを考えているか全く分からない顔でぽけーっとしてる。
「ごめんね、職員室に呼ばれてたんだ。まさかこんなに来てくれるとは思ってなくて。……えっと、夏沢さんと佐山さん?」

