女の人はあたしの方に体を向け、
「あなたは??何年生?」
と尋ねた。
「あたしは……1年3組の薪下朋奈って言います。」
「朋ちゃんだね。」
この人、すごいいい匂いがする。
「薪下で大丈夫です。」
「ううん。私が呼びたいだけだから。ダメかな?」
「あ…、いえ。」
この人の喋り方、すごく優しい。
「叶恵。もういいか?俺ら教室にもどんなきゃだめなんだけど。」
先生は、冷たく言い放った。
「はい、2人とも手当て完了。戻ってよし!」
あたしは保冷剤を受け取って、ドアに向かう。
「失礼しました。」
「朋ちゃん。またね!」
「…はいっ。」
笑顔で言う先生は、見とれる程綺麗だった。
ガラガラ
「もう痛くないのか?」
「うん、大丈夫。」

