ずっと、いつまでも



宮本先生が、キャプテンを手招きするのが視界の端で見えた。

優香莉ぃ、って言いながら。



我らのキャプテン、優香莉(ゆかり)先輩は、二年上の三年生。

さすがにきびきびしてて、おまけに可愛い。

あたしは、優香莉先輩に似てるって言われたことが何度もあるけれど、比べものにならないくらい先輩は美人だ。


目のあっさりした一重が似てる、って言われる。
笑った時下がる眉も。

確かに、あたしの目はあっさりしてる。



でもなんであんなに美人なんだろ?

「お前、まとめれるようになったなー。」
「そーですか?」
「おー。お前も成長したなぁ!」
「えー、ホントですか?あたしまとめるの下手すぎましたもんね(笑)」
「初めは、壊滅的だったよな。さ、始めようか?」
「はい!」

そんな会話を小耳に挟みながら、ふと、思った。

学校が始まったら、また先生に会える時間が減る。


先生を探さないと、見つけないと、話せない。


たまに職員室前の廊下ですれ違ったりするけど、ほとんど体育の時だけ。


先生………。


近いけど、遠いね…。