でも、諦めるって、なんで?
あんなに、純粋に想っていたのに。
「先生、これもらったのはいつ?」
「あぁ、えっと・・・、おととい。昨日廊下ですれ違っても、あいつは見向きもしなかった。」
「じゃあ・・・話してないの?」
「うん・・・。完全に避けられてるんだ」
ねぇ、素晴ちゃん?
本当に、どうして。
聞きたいことがたくさんある。
目を覚まして。
あたしの、女の勘。
あたしが関係してる。
そうだよね?
あたしが素晴ちゃんを邪魔だと思ってたように、あなたもあたしを邪魔だと思ってたでしょ?
だってライバルだもん。
「あたし、素晴ちゃんにヤキモチ妬いてたの。細くて、背もあたしより高い。足も速い。体育のバスケも上手。優しくて、可愛くて、人気もあって。・・・良いなぁ、あんな子になりたいなぁ、って思ってた。」
先生は、あたしの目を見ている。
じっとあたしの言葉を待っている。
「そんな子が、あたしの好きな人を好きになった。あたしは先生を見つけたら、すぐ近づいて、おはよう!って声かけてた。でも、先生を見つけるのは、あの子の方が速くて、あたしはもう先生に声をかけられなくなった。本当は、話したかったよ、ずっと。でも先生は、どの生徒とでも同じ反応で。あたしだけに笑ってくれてたんじゃなくて、あたしは他の人が先生に話しかけるところを見たことがなかっただけだった。」

