ドキ、ドキ
初めて先生に素直になれた気がした。
こんな状況でなきゃ素直になれないなんて。
あたしはあたしを知った。
「いいよ。俺も話したいと思ってた」
「じゃあ僕はロビーで待ってますから、終わったら声かけて下さいね」
松田先生が立ち上がった。
「すいません、分かりました」
「じゃあな、薪下。また明日来るからな」
ガラガラ
パチッ。
ん!?
ガラガラ
今、松田先生ウィンクした!?!?
明日も来てくれるんだ。
ちょっと嬉しいかも。
「俺の話からいい?」
「どうぞ」
「実は、告られたんだ。山本に」
先生はその時の状況を、ゆっくり的確に話してくれた。
*****
赤い太陽が職員室を照らしていた。
「宮本先生ー!」
「はいー!」
俺は俺を呼ぶ校長の方へ行った。
「山本さんが呼んでいます。」
またあいつかぁ。
マメだなぁ、なんて思っている俺は、ドアの方に歩いていった。

