「誰が?」
「ん?誰だろ?」
「はぐらかさないでよー」
「どうせ分かるんだからさー。大人しく待つ!」
「そんなの言われてもー」
コンコン
ドアのノック音。
「お、来たんじゃないか?」
「へ?」
速くない?
ガラガラ
「おじゃましまーす」
宮本先生・・・。
びっくりしないのは、期待してたから。
来てくれるんじゃないかって思ってたから。
「大丈夫か?」
宮本先生が入ってきたのと同時に、松田先生が出て行こうとするから慌てて呼び止めた。
二人きりは辛すぎるし。
「大丈夫、です」
少しの沈黙。
「寒くないか?」
松田先生が聞いてくれる。
「大丈夫」
ベッドの右側には松田先生、左側には宮本先生が座っている。

