「聞いて良いか分かんないけど。お前、宮本先生となんかあったのか?」
何かあった?何もないよね。
ただあたしが山本さんと仲良く話してるのが気に入らないから避けてるだけ。
そう。
全部あたしのわがまま。
反射的に松田先生を見ると、顔がくっきり見えた。
そこでやっと、目が覚めた実感がわく。
「何もないって言ったら嘘になるけど。よっこいしょっ…」
寝ていた状態から、座った状態に体を起こした。
「大丈夫か?よっ、と」
見かねた先生が、あたしの腕を持って起こすのを手伝ってくれた。
あたしの体には点滴しかついていないみたいだった。
あと、頭にはガーゼ。
「山本素晴ちゃんって、知ってる?ショートカットで、可愛くて、細い子。」
「知ってるよ」

