ずっと、いつまでも




「さむーい」
「はやく教室いこっ」



あたしたちは、近々ある合唱コンクールの練習で体育館から教室への帰りだった。

「朋ー!」

階段を駆け上ろうとしていたあたしを呼んだのは、先生。




振り向かなくても分かるよ。

ずっと耳を澄ましてたもん。



花、陽向、めぐは先行くねーって、階段を上っていった。

ニヤニヤしてたのは言うまでもない。





かなり前の話だけど、めぐに先生のことが好きだってことを告白した次の日には陽向にも言った。


陽向は気づいてなかったみたいだけど、そっか。頑張りなよって笑ってくれたんだ。



「何ですか…」

「今日の部活、無くなったって言っといて」
「分かりました」

「何でって聞かないのか?」



「…聞いてほしいんですか」

「いや、いいんだけど。」

「分かりました」



そう言って階段を再び上った。