その次の日。
やっぱり“ライバル”は先生のそばにいた。
先生がなぜか一年生の廊下に来ていたのを、すかさず見つけた山本さん。
その姿を少し離れたところでそれを見つけた花とあたし。
「山本さん、やっぱり大好きなんだね、先生のこと。朋、大人しく譲るつもり?」
「んなわけないでしょー!だけどさすがにあの中には入れないよ。」
「でも、先生はベタベタする女の子、あんまり好きじゃなさそうだよね」
「どういうこと?」
「苦手そーじゃない?あんな感じの子。」
「そう、なのかな」
「分かんないけど、現に困ってるよう見える。」
じゃあ山本さんのこと、ちょっとは嫌なのかな?
ちらっと先生を見てみる。
あたしには嫌そうな気配なんて全く読みとれない。
山本さんの話に笑いながら相づちを打っている先生。
・・・ふんっ。
山本さんが可愛いからってさ!
「んー、まぁ、あんまり媚びすぎないことだね。あの子に負けたくない、って思うかもしんないけど、今は我慢だよ!!ね?」
そうだね。
対抗してたら、同じような子って思われたらやだし。
焦って、跳ねまくってた気持ちが花の一言でかなり落ち着いた気がした。

