なんで車の中にいると、こんなにぶっちゃけてしまうんだろう。
それで距離が変わることなんて、分かっているのに。
「可愛いと思っただけで可愛いって言ったらだめか?」
「可愛くないから」
あたしは全然可愛くない。
美依瑠みたいにぱっちり二重じゃない。
髪だってくせ毛でクルクルしてて、さらに手ぐしをする癖がないからいつもボサボサ。
いつも困ったようにハの字のように下がる眉。
全然可愛い要素なんてあたしは持っていない。
性格でさえ、素直じゃない。
「・・・」
やっぱり。
可愛くないから、具体的な事が言えないんでしょ?
「お前は、な。なんか違うんだよ。お前にはお前の魅力があるんだ」
「ないよあたしなんかに」
「ぽけっとしてるときの顔とか、口が開いててさ。なんか可愛いんだって。ははっ」
はあ!?
バカにしてる?よね、絶対に。
先生はこっちをみた。
「あたしなんかにとか言うな。自分を見つめろ、自分と向き合え。」

