だけどね、先生。
良いところもいっぱい知ってるんだよ。
字がきれいなとこ、いい匂いするとこ、バスケ上手いとこ、失敗をせめないとこ、よく人を見てるとこ。
大好きだよ…。
でもそれ以上に辛いよ・・・。
「朋、今日お前大丈夫?ぼーっとして。熱あるんじゃないか?」
そういって、あたしの頬に手の甲を当てる。
「んー、ちょっと熱いなぁ。俺さっき手洗って冷えてるから良くわかんねーけど。平熱は?」
「えっと、36度5分ぐらい・・・」
「じゃあ俺と一緒ぐらいだな。どれ」
先生は自分の前髪をあげ、そのまま何食わぬ顔であたしに顔を近づける。
あたしは毎日前髪を上げて学校に来ているから、あたしのおでこは丸出しだった。

