「待てって言ってんだろ」
先生はそう言いながらあたしの手首を掴んで離さない。
・・・
片手でストップウォッチ、片手であたしの手首。
何それ。
それからあたしは何も言えないまま、武藤が7周目を走り出した頃。
サッカー部はトラック内のサッカーコートを、トンボを使って整備し始めた。
これは、練習終了の合図。
めぐに目をやるとタイミングよく立ち上がった瞬間で、めぐもこちらを見ていた。
この状況、どうしよ。
めぐを待たせたくないし。
かといって、先帰ってって言うのも苦手だし・・・。
あたしがぐだぐだ考えていたら、
―――“ば い ば い”
そうクチパクで言ってから、にこっと笑って手を振っためぐ。

