はぁ・・・
「とーもっ。帰ろー?」
笑顔で肩を叩いためぐとも、恋バナした覚えがない。
この際、言おうかな。
めぐにも、陽向にも。
「あのね、話があるの」
二人きりじゃなきゃ、話せない気がする。
めぐにも、陽向にも。
運動会のラインが残った寂しげなグラウンドには、真ん中でサッカー部が走り回ってた。
「・・・」
グラウンドに向いて、コンクリートに三角座りした。
向かい合っては話せない気がした。
「あたしね・・・、好きな人が居るんだ」
めぐは、遠い目をしてサッカーを見ていて、返事はしなかった。
「それが誰か、分かる??」
「分かんない。てゆうか急に何?」
ばれてなかったんだ。
あたしの気持ち。
それもやっぱり切ないよ?
「宮本先生だよ」
バッとめぐの顔があがり、あたしを見つめる。

