そのとき、先生は笑った。
目を開きながら、笑った。
「今百合は、幸せな恋・・・してるかな」
「きっとしてるよ!だって、先生もかなちゃんと幸せな恋したでしょう!?」
そうか、自分で言って今気付いたよ。
やっぱり、あたしじゃあ先生を幸せに出来ないんだね。
「朋ちゃーん!」
ちょうどかなちゃんが遠いところから走ってきた。
グランドではまだ式を行っている。
先生はかなちゃんと、結ばれる運命だったのかな。
先生は今、安定した恋を求めてるもんね。
「百合と叶恵、なんかどこか似てんだよ・・・。あぁやって走ってくるとことかさ。俺は・・・ずっと百合の面影を探してたのかな」
そんな・・・
そんなのって・・・!
「かなちゃんは百合の変わり、ってこと?」
宮本彼方。
あなた自身を愛してた、かなちゃんの気持ちはどうなるの。

