先生・・・“田浪先生”が大好きだったんだね。

そんな切ない顔しないでよ。



「その夜、突然百合からの電話があった。電話で百合は、俺にこう言った。『あたしは、本当にかなたんのことが好きだった。だけど好きだからこそ、別れなきゃいけないよね・・・。あたしは責任とって教師辞めることなんてしないけど、それは、あたしたちが無かったことにしなきゃならない・・・ってそう思うの』って。」


初めは、意味が分からなかった。




でも、何となくわかる気がする。


「結局それから、卒業式まで俺と百合は話さなかった。俺は、もうそんな辛い恋はしたくない。先生と生徒だからとか、決して叶わない恋だとは思わないよ。だけど、俺が百合を好きになって・・・別れて・・・全部含めて叶わない恋だった。かたち的には叶ったかもしれない、ただ、俺にとって百合との恋は、辛いものでしかなかった」



「そんなことない!あたし、先生を好きになって・・・楽しいことばっかりだったよ、って言いたい。そりゃあ少しは辛いこともあったけど、そんなの、楽しいに比べたらちっぽけだよ・・・。」



本当のあたしの気持ちだよ、だから先生。
そんな顔しないで、笑ってよ。


先生の、ニヤって笑う笑い方大好きだよ。


お願いだから・・・


笑ってよ。







もう見てられないから――――――。