ずっと、いつまでも



まるで駄菓子のくじ引きを当てた子どもの用にはしゃいだ花。
「やったぁー。朋、敬語つかわないと」


花はチッチッと、人差し指だけを交互に振る。
その仕草、なんかムカつくんだけど。


「わかってんのか?」

先生に厳しい目をされて、ちょっと焦りながらも普段使わない敬語で返事をした。


「はい、分かってますっ。」

噛みそうになりながらも言えた。


「せいかい。」


先生はそう言うと、あたしだけに笑顔をくれた。



って、さっきは花だけに笑ってたんだけどね。



結局ずっと敬語が使えるわけでもなく。

「じゃあ先生、ばいばぁーい」


あははと花と笑いながらカバンを置きに舞台へ向かった。


先生も呆れて苦笑いで手を振り返す。


「先生、かっこよかったぁ」
「よかったねぇっ!手首つかまれてたじゃん?」

バッシュ履きながら2人で拍手した。


周りから見たらおバカな二人組だよね。


「朋と花!早くバッシュ履いて!」
「雑巾サボるなんてズルい!」


あたしたちより先に体育館へ来ていたほかのクラスの子たちが騒ぐ。


「ごめん待って!もうちょっとだから。」