「なぁ、彼方?」・・・
「彼方?おい!!」
ハッ
ヤバい、幸せボケしてた……。
「大丈夫か?」
陽助の心配そうな顔が視界に入った。
「大丈夫だよ、ぼけっとしてただけだし。」
「いや、そっちじゃなくて…。」
どっちがあるんだ?
陽助の目が泳いでる事に気がついた。
「何?どしたん」
陽助がチラチラと目を向ける方向を見た。
「?」
そこには、女子が3、4人固まって同じくこちらを見ていた。
何なんだ……?
女子たちの顔からして、険悪な話。
「あいつらなんでこっち見てんの?」
ヒソヒソと、嫌な顔をする。
えぇ、ありえなぁーい。
そんな声が聞こえてくる。

