俺はそばで紙くずを投げて遊んでた男子に聞いた。
「なぁー、英語のノートって返してもらった?」
「英語ー?まだじゃない?」
あ。
「サンキュ!!」
俺はやっと理解した。
――――駆けだした、百合への気持ちを抱いて。
ガラガラ
「失礼します…」
ドアを開けると、百合しかいなかった。
なんだよ、この偶然は…。
「こっち、来て」
百合は、笑ってた。
俺は頷き、百合が指差す椅子に座った。
「ゴメン。私、あんな嘘しかつけなくて。」
嘘だった、やっぱり。
百合は俺を呼び出すために嘘をついた。
「ううん、すぐに分からなくてゴメン」
ドキドキする。
バクバクする。
ヤバい、心臓が破裂しそう。
「あの…」

