誰に。 そんなこと決まってる。 部活のマネージャーでも佐々岡でもなくて…、俺がチョコをあげたい相手は百合。 最近、バレンタインデーに男子が好きな女子にチョコをあげるという、いわゆる“逆チョコ”が流行りだした。 陽助もその話をしているんだと思った。 だから、俺が百合にチョコをあげるかという事を陽助は聞いている。 「お前のその顔は、どうせもう気持ちは決まってんだろ?」 陽助になんて説明しようと考えていた。 でも陽助は、ちゃんと分かってた。 俺の気持ちを。