後ろから急に声が聞こえた。
「ほぉ、なかなかやるねぇ。かなたんのくせに。」
廊下で腕組みをして話を立ち聞きしていたらしい百合が話に加わった。
百合にそう言われると、少し腹が立った。
「は?立ち聞きなんかサイテーだな」
こんなに強く言うはずじゃなかった。
なぜか無性にムカムカする。
「そんなにキレないでよ」
百合は少し焦ってる様子。
「それより、謝りに行かなくていいのかよ」
あ、そうそう。
陽助の一言で我に返った俺は、足踏みをしながら
「陽助、三組行って来るっ」
と言い、陽助の顔を確認するとすぐさま走り出した。

