「あのっ、宮本くんは…。何のお菓子が好きですか?えっと、ポッキーとか、ミルキーとかじゃなくて、クッキーとかガトーショコラとかそういうお菓子の方で・・・、えっと、」
は?お菓子?
「俺にくれるの?」
俺にくれるから聞いてんだよな?
「はい…」
彼女は、顔を赤らめた。
その表情に謎は深まるばかりだった。
「なんで?」
「はいっ」
ビクッとする彼女。
「なんで俺にくれるわけ?もっとちゃんと説明してほしいんだけど」
「ヤダ、何あいつ?!」
何でだ?周りからの視線が痛い。
その女の子は、ついに泣き出してしまった。
俺は、きょとんとするばかりだった。
「もう…、良いです。ごめんなさい………」
「あっ、おい!」
三組の教室の方へ走り去っていった。
「なぁー、俺が悪いのかよ?」
仲の良い陽助(ようすけ)に問う。
すると陽助は、はぁ?と怪訝な顔をした。

