「寒っ。」


2月初め、女子がキャアキャアとうるさい時期。



俺はそんな事も気にならないほど、ヒドく部活に打ち込んでいた。


「おい彼方。三組の女子が呼んでる」



三組…?


特に仲の良い女子なんて居ないはずなんだけど。

って、三組に限らず仲の良い女子なんていないけどな。



中継役の男子が指差す方向を見ると、大人しめの女子が恥ずかしそうに立っていた。


誰だ……?

実際、名前も知らないのだ。


「あの…俺に何か……」

恐る恐る聞くと、その子は少しびっくりした。