雨あがりの空に

仕事中も…なぜだか翠のことが心配で…。

前田さんも心配そうに俺の顔を覗き込んできた。

「仙崎先輩？どうしたんですか？ソワソワしちゃって…」

「あぁ、…平気。大丈夫だから」

「大丈夫そうに見えませんよ？何かあったんですか…」

「…い、いや…家のことが心配になってきて…」

「お家のことですか？奥さん、帰ってきたんですよね？」

「…そうなんだけど、何か胸騒ぎがするんだよね…」

「奥さん…まだ体調が悪いんですか？」

「いや、退院したし…元気だよ」

「…大丈夫ですよ。何も心配することなんてないですよ。奥さん、しっかりしてますもん」

「…いや…そうじゃなくて……何でもない…」


前田さんは、不思議そうに首を傾げていた。



今日は、俺が拓海を迎えに行こうとしたけど…仕事が長引いて遅くなってしまった。


社員は、みんな帰って…残ったのは俺と前田さんだった。

「…先輩…」

「…ん？どうした？」

前田さんは急に話しかけてきた。

俺は、目線をパソコンに向けて、返事をした。