「あんた。山から下りてくるの久しぶりなんだ?」
「そうだな。朱花の生まれ変わりを探しに下りてくる以外は、あとは腹が減ったときに餌を探しには下りて来るくらいだったしな。下りてきても長く留まることはなかったし、たいていは夜だ。人にはそう会わん」
「餌、ね」
センはその言葉に、にたりと暗い笑みを浮かべた。
「旨いのか、あの女」
「そうだな。甘いな」
センの言葉には、それが誰を指し示しているのかを告げる主語はなかったが、誰のことかは青嵐にも判った。
青嵐の言葉に、センはふうんと鼻を鳴らして頷いた。
「正確に言うとさ。俺、一応、鬼狩りもするときあるんだよ」
その言葉に、青嵐の背筋が泡立った。ゆらりと、殺気が立ち上る。
「ときもある、だよ。いつでもしてる訳じゃねえ」
すぐに殺気立つのやめてくれよ、怖いだろと言って、わざとらしく顔を顰めて体を震わすセンに、何を言うかと青嵐は鼻を鳴らして呆れた。
怖いと本人はいうが、力は相当のものを秘めている。本気で戦っても勝てるかどうかは微妙だと、後を追ったセンの後ろ姿を見ながら、青嵐は思ったほどだ。
「あんたが、あの女を食い殺したり、朱夏ちゃんをどこかに連れ去ろうとしたりするようなら、ちょいと考えなきゃならなかったんだけどさ」
いつの間にか、三つ目の饅頭に手を伸ばしているセンは、口をモゴモゴさせながら、喋り続けた。
「そうだな。朱花の生まれ変わりを探しに下りてくる以外は、あとは腹が減ったときに餌を探しには下りて来るくらいだったしな。下りてきても長く留まることはなかったし、たいていは夜だ。人にはそう会わん」
「餌、ね」
センはその言葉に、にたりと暗い笑みを浮かべた。
「旨いのか、あの女」
「そうだな。甘いな」
センの言葉には、それが誰を指し示しているのかを告げる主語はなかったが、誰のことかは青嵐にも判った。
青嵐の言葉に、センはふうんと鼻を鳴らして頷いた。
「正確に言うとさ。俺、一応、鬼狩りもするときあるんだよ」
その言葉に、青嵐の背筋が泡立った。ゆらりと、殺気が立ち上る。
「ときもある、だよ。いつでもしてる訳じゃねえ」
すぐに殺気立つのやめてくれよ、怖いだろと言って、わざとらしく顔を顰めて体を震わすセンに、何を言うかと青嵐は鼻を鳴らして呆れた。
怖いと本人はいうが、力は相当のものを秘めている。本気で戦っても勝てるかどうかは微妙だと、後を追ったセンの後ろ姿を見ながら、青嵐は思ったほどだ。
「あんたが、あの女を食い殺したり、朱夏ちゃんをどこかに連れ去ろうとしたりするようなら、ちょいと考えなきゃならなかったんだけどさ」
いつの間にか、三つ目の饅頭に手を伸ばしているセンは、口をモゴモゴさせながら、喋り続けた。


