クッキーと花びら【短編】

「お疲れーっす!」




天野くんの言葉を遮るように、誰かが入ってきた。



私はスッと離れて、自分の机に戻った。






「あれ? 慎吾まだ居たの?」



天野くんと同期の江口くんが、彼に声をかけている。



「あぁ…」


静かに答える、天野くん。



「終わったんだろ? 飲みに行かね?」


そして私にも気づいた江口くんは、


「美緒さんも行きませんか?」


と声をかけてくれる。





「ありがと。でも、もう少し仕事あるから、今日は遠慮しとく。」





「美緒さん、目、赤くないスカ?」



江口くんが、寄ってくる。